2014年2月24日月曜日

窓辺に揺れる

アナベルの大きなガラス窓に、

ずっとぶら下がった靴下、「ayame」ソックス。






















もはや、アナベルの表札がわりのような

存在のayameさん。






















代表作、「ランチバスケットⅡ」。 ¥2,100(税込)






















相変わらずの色彩感覚に驚きます。






















こちらは、超多色使いの「スプリンクルソックス」。






















ayameソックスの色づかいは、

僕にとってのファッションの、

原点のような色彩です。

入口の窓の近く、、、窓辺に揺れる、

ayameソックスを見ながら、

全身色ものだらけの昔の自分を思い出す。

アナベルには欠かせない、大切な存在です。




2014年2月23日日曜日

錯覚

想像することは、ファッションの

楽しみの一つです。

撮影の前日、僕もたくさん想像します。

電車の中でも、ノートとシャーペンを離しません。

1回の撮影で、10~15コーディネート。

同じ洋服を使う時は、できるだけ印象が

変わるようにコーディネートを考えます。

当日、着てもらいながら考えると、

時間が足らなくなるので、ほとんどは

前日にノートに書いて臨みます。

バイイングも同じです。

展示会で初めて見る商品を次々と買っていきます。

ただし、納品されるのが7カ月くらい後なので、

それはそれは、、果てしなく想像します。

見た瞬間に、いくつものコーディネートが

頭をよぎる商品にも出会います。

このパンツは、そんな商品の一つです。






















Travail Manuel フラワーカモストレッチパンツ ¥12,600(税込)

ライトブラウン

僕がパンツを選ぶ時の基準にしているのは、

どんな靴が合うか?

洋服好きな人でも、現役で履いている靴を

100足持っている人はそういません。

自分が持っている洋服を全部頭に浮かべるのは

ちょっと難しいけど、靴は思い浮かびやすいのでは

ないでしょうか。






















遠目にはカモフラージュのように見えなくもない

このパンツ、実はこんな春らしい花柄です。






















こちらは、ブラウン。


ペタっとしたスニーカーに似合うか?

R.U.のような革靴に似合うか?

danskoのようなサボには似合うか?

女性らしいヒールのある靴には似合うか?

夏のラフなサンダルには似合うか?

春先や秋口のブーツに似合うか?

なかなか、全部をクリアーするパンツはないのですが、

あるとしたら、そのパンツはコーディネートの

幅を大きく広げてくれるはずです。

このパンツも、なかなかのものだと思います。

2つだけ、コーディネートしています。
















danskoのサボに、Arteporveraのリネンチュニック。

膝下がすっきりしていて、ストレッチなので

レギンスのような使い方を。






















サボのボリュームが気になる時は、

トップスにもボリュームを持ってくると

バランスが良くなったりします。
















このパンツの、ヒップ周りのボリュームを生かした

オーソドックスな着丈のコーディネート。

これがT-SHに変わろうが、

女性らしいブラウスに変わろうが、

スウェットパーカーに変わろうが、、

シルエットバランスは同じです。






















トップスと靴を変えただけのコーディネートですが、

おそらく、印象はかなり違うはず。。


T-SHに、スニーカー?

いや、R.U.を履いてみよう。

パーカーにビルケンのサンダル?

いや、ヒールを合わせてかごバッグを持とう。

ブラウスにヒール?

いや、ビーサンでも履いてみよう。


自由に想像を楽しんで、

錯覚を起こすようなコーディネートを

思いついた時、そっと一人で楽しもう。








2014年2月21日金曜日

耳をすませば

先月、「定番とは」という題名のブログで、

「Arteporveraのお二人は、喧嘩をする。」

という話をしました。

そのブログをお二人が読んでくれたみたいです。

奥様から素敵なお返事をいただきました。

内容は、だいたい下記の通りです。

①ケンカはするが、なかよしでたまに叫ぶ程度。

②最近、スタートレック風の髪型にした。

そうとうおもしろい手紙だったので、

アナベルの事務所に神棚のように飾ってある。

あの羽織りモノが、素材を変えて登場です。






















コットンとシルクが半々くらいで混じり合ったパイル素材。

Arteporvera コットンシルクカーディガン ¥12,600(税込)

ネイビー






















カフス裏とポケット口は、別布の麻で切り替えている。

タオルをクタ――っとさせたような、心地のいい素材です。

春先から真夏の羽織りモノとしても重宝します。






















こちらは、ブラック。






















別布の麻は、ネイビーと共通です。


持っている服の8割以上が、

クタクタしている妻に着てもらいます。






















先日、入荷したゴーシュの2タックパンツの

ライトパープルに合わせて。
















紫系とブラックの愛称は抜群です。






















トップスが濃色なので、ぼやけないような

きれいな色のストールを垂らしたり。。




巻いてみたり。。






















両脇に存在感のあるポケットが付きます。

また、よりカジュアルにも活躍します。






















orslowのオーバーオールに軽く羽織って。

こちらはネイビーです。


これから入荷する、ノースリーブのワンピースや

かるい春のニットの上に着る羽織りモノとして、

大いに活躍しそうです。


意見交換の上でのケンカは、

より良いモノづくりに発展するのでしょう。

耳をすませば、、奥様の叫び声が、

聞こえてくるかもしれません。




2014年2月20日木曜日

THE ゴーシュ

ゴーシュのお二人は、「普遍性」を大切にしている。

アナベルの根幹にあるコンセプトと同じだ。

あたり前のことをすごく大切にしたい。


洋服は、着心地が良いほうがいい。

洋服は、素材が良いほうがいい。

洋服は、できれば丈夫であったほうがいい。


そんなあたり前のことにこだわることが大変で、

小さな小さな、ふり幅の中で、

カッティングや素材作りで、新しいものを生み出していく。

このコートは、定番商品ではないが、

ゴーシュの世界観が全面に現れている。

『THE ゴーシュ』と言いたくなるひと品だ。






















日本人の、、ゴーシュの美意識が生み出したこのコート。

少ないパーツ数で、パターンメイキングに工夫をこらし、

素材の特性を存分に生かした秀逸なデザインのコート。

ゴーシュ リネンシルクコート ¥50,400(税込)

こちらは、ベージュ。






















リネンとシルクが半々くらいで混じり合う、

ところどころ、ネップのようなものが見受けられるこの素材は、

リネンの優しくふんわりとした風合と

シルクのカリッとした上質さが混じり合う。

やや黄色みの強い明るいベージュは、とても春らしい。






















そのベージュに、製品染めを施すことで生まれたネイビー。

いつもながら、品のあるダークネイビーです。






















ネイビーは、ネップも一緒に染まっている。


妻が唯一、お店に立った日。。

それは、アナベルオープンの日でした。

ただチョロチョロしていただけでしたが、

その時着ていたのが、この服でした。

ゴーシュのワンピースにこのコートを羽織っていた。






















先日、ブログでご紹介したワンピース。

この上に、羽織ります。






















ダークトーンのグラデーション。。。

ヨハンナのテトラバッグがいい存在感。






















このコートは、ヨコ姿が実にかっこいい。






















こちらも先日、ご紹介したスウェット素材のワンピース。






















麻の大判ストールを垂らし、






















ベージュを羽織ります。
























THE ゴーシュでした。。。。



2014年2月17日月曜日

潔く美しく

ゴーシュの展示会を行う一室に、

そこそこ大きなガラスのショーケースがある。

すごく雰囲気のある古いショーケースで、

普通、いろいろ飾りたくなるだろう。

でもそこには、小さな羊の置物がポツンと置いてある。

あとは何も置いていない。

お店では、どうしても商品を並べなければいけないが、

ゴーシュのアトリエのショーケースは、本当に潔く美しい。

きっとそのショーケースが、お二人の美意識なのだろう。

このワンピースは、そのショーケースのようだ。






















ゴーシュ インディアコットンツイルワンピース ¥34,650(税込)

潔いことこの上ないホワイト。

昨年のリネンヤブレダイのワンピースをリモデルしたタイプ。






















ドキッとするおしゃれな色。

ライトパープル






















素朴さの中に感じる美しさ。

ライトブラウン

少し赤みの入ったブラウンは、グレーと言われたら

グレーに見えてくるような、微妙な色合いが素敵です。






















強さと優しさを併せ持つ、ネイビーブルー。

こちらも赤みが入ることで、ややグリーンを感じる色味です。


身頃には、コットンの綾織物の裏地が付きます。

一枚着るだけで、美しいワンピース。

まるであの、古いガラスのショーケースのようなワンピース。

そっと色を足してあげるだけで、、、

大人にしかできない素敵がやってきます。






















今年もゴーシュは、特別な日常を届けてくれます。

































潔く。

美しく。



大雪の影響で、撮影が進みません。

いつもショッピングページを楽しみにしてくださる、

遠方のお客様には、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

じれったいとは思いますが、ブログで気になる商品など

ございましたら、遠慮なくメール、お電話にてお問い合わせください。

インディアコットンツイル素材では、この他に、ワイドパンツと

ヒモベルト付きのタックパンツが入荷しております。

いずれも全4色展開です。

よろしくお願いいたします。



2014年2月16日日曜日

パラドックス

年末から年始にかけて、よく来ていただくお客様ほど

春の商品を気にしてくださる。

「今年のゴーシュのジャケットはどんなのが入るんですか?」

と聞かれていて、、、

「ライダース型のダブルのジャケットとシングルのワンボタンです。」

そう答えていた。

みなさん、「ライダース」という言葉に反応する。

「ゴーシュでライダースですか?」

不思議そうな顔をする。

ライダースと聞いて、ほとんどの人が想像するのはハードなイメージだ。

だから僕も補足する。

「ゴーシュらしいライダースです。」

お客様は、ますます解らなくなる。

アナベルでは、あまり写真などを積極的には見せない。

それより、しゃべって想像してもらう。

その方が、お互いにおもしろい。

ゴーシュらしい、ライダースジャケットです。






















ゴーシュ ライダース型JK ¥50,400(税込)

ネイビー

リネンとシルクの織りなすソフトでしっかりとした

素材のこのジャケットには、ライダースから想像される

ハードな印象は一切受けず、逆にエレガントさすら感じられる。






















ゴーシュのお二人は確かに言っていた。

「ライダースからインスピレーションしてデザインしました。」と。。

確かに、ウェスト部分に大きなベルトが付いている。

見ただけではわからない、このベルトの存在意義。

人によっては、ベルトがなければな、、、と思う人もいるかもしれない。

が、、このジャケットに関しては、不可欠な存在だと思う。

女性らしい、かっこ良さを引き出すのに、大きな役割を果たす。























こちらは、完売してしまったベージュ。

室内で撮影できないアナベルでは、大雪の影響は大きい。

ショッピングページでのご紹介が、間に合わないものが

出てくると思います。

気になるものは、お問い合わせください。






















真っ白なワンピースの上に。






















僕らの想像をちょっと超えて、

いつもゴーシュは、洋服好きを楽しませてくれる。

想像と全然違った受け入れがたい現実も、

受け入れてみたら、実は良かったりもする。

そんな洋服の方がおもしろいものが多いのもまた事実。




2014年2月15日土曜日

風の通り道

昔、ジブリの宮崎駿監督がこんなことを言っていた。


「風が吹くとね、、髪の毛が、、、こう、動くでしょ。

僕は、その髪の毛の動きをアニメーションで表現する

ことに、すごくこだわりたいんです。」


まだ10代だった僕は、その言葉に何も感じなかった。

ただ、なぜかその言葉をずっと覚えていて、

大人になって改めて、ジブリ映画の素晴らしさを思い知った。

きっとあの監督は、いつも子供のように一所懸命に

伝えようとするから、、だから覚えていたのかもしれない。

だから伝わる作品がたくさんあるのだろう。

アナベルもそんな洋服を紹介できるお店になれるだろうか。

自分たちの作った洋服を目の色を変えて伝えようとする

作り手やデザイナーの洋服は、絶対にすばらしい。

ふんわりした、心地いいワンピースのご紹介です。






















ゴーシュ コットン吊裏毛ワンピース ¥18,900(税込)

一応、ネイビーだが、写真でもわかるとおり、

何となく、ほんのりと緑がかっている。

そしてグレイッシュでもある。

















コットン吊裏毛は、吊編み機という古い機械を使って

ゆっくりと編みあげる。1日機械を動かし続けて10mくらいだろうか。

効率の悪さから、現代ではほとんど使われなくなったが、

いいところがたくさんあるから、残っているのだ。






















こちらはライトブラウン。

やや赤みが強く、こちらもグレイッシュだ。

吊編み機は、糸そのモノに余計なテンションをかけず、

素材本来の良さを引き出すのには、ベストな方式だ。

だから、吊編み機で編まれた素材は、軽くてふんわりしている。

そして、丈夫な上に何度洗濯を繰り返しても

そのふんわり感を保つのがその大きな特徴だ。


なにかとフワフワしている妻に着てもらった。
















風もいろいろだ。

今の風は冷たいし、強すぎる。

みんなに嫌われがちな風だ。
















ポケットに手を突っ込んで、気軽に毎日でも

着たくなりそうなワンピース。
















大きな後ろ身頃と、大きなアームホールは、

ゆったりしながらも女性らしさを感じさせる、

素敵な風の通り道。
















ふんわりしたワンピースには、ふんわりしたストールが良く似合う。






















この角度が一番かっこいい、、と僕は思う。
















立春は過ぎたけど、まだ寒い2月下旬。






















春分の日が近づくと、、一気に空気が変わる。

みんなが春を感じ始める3月中旬。

やっと心地のいい風が吹き始める。

ゴーシュのふわふわのワンピースは、

そんな季節にピッタリのワンピース。

重ね着でインナーを変えながら、

巻くストールの素材を変えながら、

空気をたくさん含んだ、フワフワのワンピースに

風が吹き抜けた時、このワンピースの良さを

実感するはずです。